○山岳救助活動に関する活動基準
平成30年10月16日
消防長決裁
(趣旨)
第1 この基準は、峡北広域行政事務組合消防本部救助隊に関する規程(平成29年峡北広域行政事務組合訓令甲第1号。以下「規程」という。)に定めるもののほか、山岳及び山地における救助活動(以下「山岳救助活動」という。)について必要な事項を定めるものとする。
(山岳救助隊)
第2 山岳救助活動に従事する隊(以下「山岳救助隊」という。)は、規程第10条第3項に規定する本部救助隊の出動要請があった場合は本部救助隊とする。ただし、本部救助隊が出動するまでの間は、指令課通信指令室からの出動指令に基づき出動する署分署の当番勤務者により編成された救助隊(以下「署分署救助隊」という。)が任務に当たるものとする。
2 消防長は、規程第5条第2項の規定に基づき、山岳救助活動に支障があると認めるときは、本部救助隊の隊員以外の消防職員をこれに充てることができる。
3 山岳救助隊は、韮崎警察署、北杜警察署等との混成の救助部隊として活動することを基本に山岳救助活動に当たるものとする。
(活動対象)
第3 山岳救助活動の対象は、山岳地域における次のいずれかに該当する事案とする。
(1) 人命に関わるものと総合的に判断される事案
(2) 韮崎警察署又は北杜警察署から要請があった場合において、消防長が必要と認める事案
(3) 前2号に掲げるもののほか、消防長が必要と認める事案
(出動等)
第4 山岳救助隊の災害現場への出動は、119番通報による覚知又は韮崎警察署及び北杜警察署との山岳遭難・水難等救助活動における連携に関する覚書(以下「覚書」という。)の規定によるものとする。
2 消防署長(以下「署長」という。)は、119番通報を受理したときに要救助者が負傷していることが明らか、かつ、事故発生場所が特定されている場合で、事故発生場所が比較的容易な山域であり現場の状況、緊急性等を考慮し、署分署救助隊で対応できる山岳救助活動であると認めるときは、消防課長と協議し、先行して署分署救助隊を山岳救助隊として出動させることができる。
3 指令課長は、山岳救助活動に係る119番通報を受理したときは直ちに管轄警察署に山岳遭難・水難等事案発生連絡表(以下「連絡表」という。)により通報し、管轄警察署と事前協議のうえ集合場所及び時間、出動人員等を調整するものとする。
4 指令課長は、第2項により出動する場合は、速やかに管轄警察署に連絡表により通報するものとする。
5 指令課長は、覚書の規定による山岳救助活動の協力要請を受けたときは、消防長に報告するとともに、消防課長及び署長に通知するものとする。
(消防防災航空隊の出動要請)
第5 指令課長は、署長が航空機による救助を要すると認めるときは、山梨県消防防災航空隊(以下「航空隊」という。)の出動を要請するものとする。
2 署長及び指令課長は、航空隊と連携した救助活動を実施する場合は、主運用波で無線交信を行うものとする。
3 署長及び指令課長は、要救助者の救出方法について航空隊と協議し救助活動を実施するものとする。
4 署長及び指令課長は、災害現場の気象状況が悪く航空隊が災害現場に出動できない場合で、災害現場周辺に飛行可能な場合は、航空隊と協議し山岳救助隊員及び山岳救助隊が使用する資機材等の搬送を依頼することができる。
(活動要領)
第6 山岳救助活動は、次の各号により活動するものとする。ただし、署長が現場の状況及び緊急性等を考慮し、時機を失することなく活動しなければならないと判断したときはこの限りでない。
(1) 山岳救助活動は、日の出から日没までとし、夜間の検索及び救助活動は行わない。ただし、署長及び山岳救助隊の隊長(以下「隊長」という。)が関係機関と連絡調整を図り、隊員の安全が十分確保できると判断した場合は、この限りでない。
(2) 山岳救助活動に従事する期間は、原則として3日以内とする。ただし、消防長が当該地域の状況、気象条件その他の事由により、3日を超えて山岳救助活動を行う必要があると認めるときは、当該活動に必要な期間とすることができる。
(3) 署長は、前項の規定により3日を超えて山岳救助活動を行う場合は、山岳救助隊の隊員の交替又は管轄区域外の消防署からの応援要請等、山岳救助活動が計画的に実施できるよう調整するものとする。
(4) 山岳救助隊は、原則として隊長を含む9名以上で編成し、隊員は、山岳救助活動に必要な知識、体力を有する消防職員とする。
(5) 隊長は、現場の状況、気象条件等を考慮して救急救助資機材、装備品、食料、飲料水等を選定し携行するものとする。
(6) 山岳救助活動は、人命救助に主眼を置くものとし、確実かつ迅速な活動を原則とする。
(安全管理)
第7 署長は、所属職員を指揮監督し山岳救助活動の安全に万全を期すものとする。
2 山岳救助活動は、山岳地域等の特殊性から二次災害の危険性が高くなるので安全確保に十分配慮し二次災害の発生を防止するものとする。
3 積雪期の山岳救助活動は、必要な登山技術の習得並びに必要な装備品及び資機材が整備されるまでの間は行わないものとする。
4 保有する装備資機材及び隊員の力量以上の無理な活動は厳に慎むものとする。
5 体調が不良と思われる隊員は、隊長に報告し無理な入山は避けるものとする。
(訓練)
第8 消防長は、山岳救助活動を円滑に行うため警察機関との合同訓練、基本訓練、図上訓練及び実地訓練を実施するものとする。
(訓練計画)
第9 本部救助隊の隊長は、訓練を実施するにあたり訓練の目標、内容、実施方法、安全管理対策その他訓練に必要な事項について定めた年間訓練計画を消防課長と協議し作成するものとする。